kumedera.jpg

久米寺

朱の鮮やかな多宝塔や、アジサイなどの花が魅力的な、歴史の深いお寺。久米仙人の伝説でも有名で、古寺ながらオープンで親しみを感じるスポットです。

どんなところ?

橿原神宮近くの線路沿いにある、開放的なお寺

久米寺は、橿原神宮前駅の西、近鉄の線路をはさんで橿原神宮境内のすぐ南にあります。住宅街に囲まれていて、立派な門はあるものの塀はなく、入口がいくつかあって、そのうち一つは踏切になっていたりして開放的。地元の人の散歩コースにもなっています。境内はそれほど広くないものの、建物が並んでいて充実した印象です。

見かた・楽しみかたは?

朱の鮮やかな多宝塔・本堂の薬師如来・季節の花

金堂(本堂)に向かって左手にある朱の鮮やかな多宝塔は、久米寺唯一の重要文化財。江戸時代初めに京都の仁和寺から移されたものだとか。今の塔が来る前に建っていた塔は、空海が籠って大日経を感得したという由緒正しいもので、門を入った正面に、その礎石「大塔礎石」があります。

金堂には、眼病に効くといわれる本尊の薬師如来があります。かなり大きくて堂々とした仏像で、目を見開いているのが印象的。本堂には、他にもたくさんの仏像があるほか、天井には一面に梵字が書かれています。

境内には、久米仙人の像もあります。久米仙人は、飛行の術を持っていて、空を飛んでいるときに村娘のふくらはぎに見とれて力を失って墜落した、という伝説で有名。久米寺に住んでいたとか、久米寺を開いたという伝説もあるようです。こんな伝説も、久米寺の親しみ深さに一役買っています。

花の寺としても魅力的。境内左奥にはアジサイ園があって、3,500株ものアジサイが植わっていて、時期には園内いっぱいに咲きほこります。他にも、ユキヤナギや桜、ツツジなど、春の花がいろいろ咲いて楽しめます。

歴史は?

飛鳥時代、来目皇子の創建との説

594(推古天皇2)年に、聖徳太子の弟「来目皇子」が建てたとか、この一帯に住んでいた久米部氏が建てたとか言われていて、詳しくは分かっていないようです。来目皇子の説では、幼いころ失明した皇子が、薬師如来に祈ったところ治ったということで、そのお礼に建てたとか。

空海が、久米寺にあった塔に籠って大日経を感得して、その後真言宗を開いたことから、「真言宗発祥地」とも言われています。

イベントは?

ユニークな「練供養」と「久米仙人まつり」

5月3日 久米寺練供養(久米レンゾ)

菩薩が境内を練り歩く、というユニークな行事。「レンゾ」というのは、春の農繁期前に1日休みをとって楽しむ、という奈良の農村の伝統的な習慣だとか。

当日は、境内の「護国道場」から金堂まで、仮設の「高架橋」が建てられます。その上を、久米仙人像・檀信徒・お坊さん・お稚児さんなどが金堂へと練り歩いていき、最後に「二十五菩薩」の登場。菩薩にふんした人々が練り歩き、「仏像が歩いている」という感じで、壮観でもあり、ユーモラスでもあります。

10月16~22日の間の日曜日 久米仙人まつり

久米寺ゆかりの久米仙人にちなんだお祭り。本堂前の広場にやぐらが建てられて、着物を着た女性たちが「仙人踊り」という盆踊りを踊ります。その中に、久米仙人にふんした人が3人混ざって、木の杖で女性の着物の裾をめくって覗くのがユニーク。踊りは2時間くらい続きます。

仙人踊りが終わると、全員で本堂に向かって合掌して般若心経を唱えます。その後は、やぐらの上からポケットティッシュをまく「ティッシュまき」。久米仙人の伝説にちなんだ、久米寺の絵馬と同じ絵柄入りのポケットティッシュで、中には「当たり」のティッシュもあって、景品がもらえます。

どうやって行く?


より大きな地図で 久米寺 を表示

近鉄橿原神宮前駅から徒歩5分

久米寺データ

正式名称 霊禅山久米寺
宗派 真言宗
拝観料

大人:400円
境内は拝観自由

拝観時間 午前9時~午後5時

concrete5 Content Management
Designed by Galfy