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談山神社

山の緑に朱塗りの社殿が映える、奈良を代表する紅葉の名所。杉林をバックに雅やかな重要文化財の建物が立ち並んで、「関西の日光」といわれたりするスポットです。

どんなところ?

多武峰の山中にある、朱塗りの建物が立ち並ぶ神社

談山神社は、桜井市街の南にそびえる御破裂山の山中、「多武峰(とうのみね)」と呼ばれるエリアにあります。飛鳥の東にあたるところ。バス停から坂を下りて、にぎやかな土産屋の前を進むと二の鳥居。拝観料を払って石段を登っていくと、右に楼門・拝殿・本殿など、左には十三重塔や権殿など、朱塗りの鮮やかな建物が立ち並んでいます。

見かた・楽しみかたは?

雅やかな重要文化財の建物群・紅葉をはじめ四季の眺め

談山神社には、国宝の建物こそないですが、目にする建物のほとんどが重要文化財といってもいいくらい。どれも朱塗りが鮮やかで、神社らしく雅やかです。藤原鎌足像がまつられている本殿は、たくさんの彫刻で飾られていて、日光東照宮のモデルになったといわれていています。そのせいか、談山神社は「関西の日光」と呼ばれたりもします。

本殿などがあるエリアの西に建っているのが、談山神社のシンボル・十三重塔。朱塗りの色と檜皮葺(ひわだぶき)の屋根がなんとも優雅です。室町時代に再建されたもので、歴史ある木造の十三重塔は世界でこれだけだとか。

談山神社は、奈良を代表する紅葉の名所。晩秋には、境内全体がモミジに包まれて、雅やかな建物の美しさが一層引き立てられます。紅葉は境内で楽しめるほか、バス停と境内の間にあるちょっとした丘が「展望台」になっていて、建物が紅葉に埋もれる境内全体が見わたせて見事。桜や新緑も魅力です。

歴史は?

飛鳥時代にお寺として創建 明治に神社へ

飛鳥時代の678(天武天皇7)年、藤原鎌足の長男・定慧(じょうえ)が、鎌足のお墓として十三重塔を建てたのが始まりだとか。次の年、講堂(今の拝殿)が建てられて、妙楽寺と名付けられたとのこと。もともと多武峰は、大化の改新のとき、鎌足と中大兄皇子が話し合ったところと言われています。

平安時代に繁栄しますが、勢力を強めた興福寺と対立して、何度も戦いの場になって、建物が焼けたりしたとか。その後、豊臣秀吉に一旦郡山に移されて衰退し、江戸時代に復興したとのこと。明治になって、神社に変わって「談山神社」になりました。

イベントは?

雅やかな「けまり祭」幻想的な「献燈祭」など

4月第2日曜日 神幸祭

談山神社のお祭りの中でただ1つ、おみこしが登場するお祭り。本殿での神事は毎年行われますが、おみこしの「お渡り」は2年に1度。色とりどりの衣装を着た、雅楽を奏でる「楽人」や神職とおみこしによる行列が、境内を通って向かいにある丘まで練り歩きます。

さらに4年に1回は、車で聖林寺近くへ移動して、そこから一の鳥居までの行列もあり。春らしい衣装を着た稚児も合流して、200人規模の行列が、昔ながらのおもむきの残る街道を練り歩いていきます。

4月29日・11月3日 けまり祭

古代のスポーツ「けまり」を披露するお祭り。「蹴鞠(しゅうきく)保存会」の人たちが、古式ゆかしい衣装を着て、「作法」にのっとって行うけまりを見られます。藤原鎌足と中大兄皇子が、法興寺(今の飛鳥寺)で行われたけまりの行事を通じて親交を深めたことにちなむ行事。

けまりはスポーツとはいっても勝ち負けはなく、相手が蹴りやすい球を渡して、長く続けて楽しむものだとか。独特の掛け声や、見た目をよくする「作法」もあって、見るだけでも古代の文化を味わえます。

8月14日 献燈祭

境内にある石灯籠や拝殿の釣灯籠に灯がともる、幻想的なお盆の行事。まずは本殿で、雅楽が流れるなか神事。そのあと、灯籠に灯をともしていきます。聖なる火を参拝客にも分けて、参拝客も一緒に灯をともしていくのがユニーク。

春日大社の万燈籠によく似た行事ですが、談山神社のほうはあまり人気がないようで、見る人もまばら。そのぶん静かに眺められます。ただ、灯籠のほかに明かりがないので注意。

10月第2日曜日 嘉吉祭(かきつさい)

めずらしいお供え物が見られるお祭り。何日も前から、多武峰の村の人たちが、果物や野菜をきれいに積み上げた33種類の神饌(しんせん:神様の食事)「百味の御食」を準備します。

当日は、権殿に運び込まれた神饌を、氏子がバケツリレー方式で本殿に運んでお供えします。神事自体はオーソドックスですが、終わった後に下げられた神饌を、拝殿で見られます。

11月17日 例大祭

祭神・鎌足公の命日のお祭り。本殿で神事が行われて、その間に、本殿の前で舞楽の奉納があります。一般の参拝客も、拝殿から見られます。

どうやって行く?


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近鉄桜井駅からバスで25分
「談山神社」下車徒歩3分

談山神社データ

拝観料 大人:500円
子供:250円
など
拝観時間 午前8時半~午後4時半

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