新薬師寺
奈良公園周辺では数少ない奈良時代の建物と、有名な十二神将が見られるお寺。小ぢんまりしていますが、古建築好きにも仏像好きにも満足のスポットです。
どんなところ?
高畑の一角にある、ひっそりした「知る人ぞ知る名所」
新薬師寺は、奈良公園の南側、古い町並みが残る高畑(たかばたけ)のはずれにあります。塀に囲まれた境内は広くなくて、ふだんは観光客も少なくてひっそりしていますが、そのぶんじっくり建物や仏像を眺められる雰囲気です。
見かた・楽しみかたは?
奈良時代から残る本堂と、切手にもなった十二神将が見どころ
入って正面にある本堂は、奈良時代にできた当時は別の建物だったもので、国宝。屋根は、奈良によくある寄棟造ではなくて入母屋造ですが、ゆるやかにのびのびと広がっている感じや、壁や戸の簡素な感じに、奈良らしいおおらかな雰囲気があります。
中に入ると、平安時代の薬師如来坐像のまわりを、奈良時代(一体を除く)の十二神将立像がぐるっと取り囲んでいます。昭和時代に作り直された十二神将の1体を除いてすべて国宝。そのまわりを歩いてお参りできるのもユニーク。
本尊の薬師如来は、目を大きく見開いているのがめずらしいです。十二神将は、そのうち1体が切手のデザインにもなったほか、ポスターなどにもよく登場します。今にも動き出しそうなくらい、リアルで力強い様子が見どころ。
境内にはハギが多くて、季節にはハギの花の名所になります。
歴史は?
奈良時代創建 鎌倉時代再興
奈良時代の747(天平19)年、光明皇后が聖武天皇の病気平癒を祈って建てた、という記録があります。本尊の薬師如来の目が大きいことから、「眼病平癒のため」と言われたりもします。
できた当時はかなりの大寺院だったようですが、火事などで衰退。鎌倉時代に再興されて、そのときにできた建物がいくつか残っています。
イベントは?
修二会のおたいまつが有名
4月8日 修二会(しゅにえ)
薬師如来に懺悔(ざんげ)や厄除けを祈る行事で、おたいまつが有名。夜7時、僧侶が本堂に入るとき、一人ずつ大きなたいまつに先導されて本堂を一周します。そのあと、奈良時代から伝わる声明など、古式ゆかしい法要が行われ、本堂に入って見ることができます。
おたいまつや声明など、東大寺二月堂の修二会(お水取り)と似ているところも多くて、「ミニチュア版」といった感じもします。東大寺より間近で見られるのも魅力。
どうやって行く?
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近鉄奈良駅からバスで6分・JR奈良駅からバスで12分
「破石町」下車徒歩13分
近鉄奈良駅から徒歩35分
新薬師寺データ
正式名称 | 日輪山新薬師寺 |
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宗派 | 華厳宗 |
拝観料 | 大人・大学生:600円 中高生:350円 など |
拝観時間 | 午前9時~午後5時 |