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頭塔(ずとう)

ならまちのはずれに隠れるようにそびえる、奈良でも有数の不思議スポット。重要文化財や興味深い伝説もありながら、訪れる人もない穴場です。

どんなところ?

家並の裏手に隠れるように

頭塔は、ならまちから高畑(たかばたけ)へ向かう途中、家並の裏手に隠れるようにあります。通りに面していないので、歩きながらだとごく一部しか見えません。入口には鍵がしてあって、入って見学するには、向かい側の仲村表具店に頼みます(事前の電話予約が必要)。

見かた・楽しみかたは?

異様な姿と重要文化財の石仏を眺める

入口の門をくぐって上がっていくと、南側(手前)は発掘前の状態を残したこんもりとした林が残っていて、そこを過ぎると、復原された階段ピラミッド型の姿が見えてきます。まずは、「奈良のピラミッド」と言われる、なんとも異様な姿をじっくり眺めたいところ。他のどんな遺跡とも違った、独特な雰囲気です。

「階段ピラミッド」の各段には、あちこちに浮き彫りや線刻の石仏が置いてあります。奈良時代に作られたもので、22体が重要文化財に指定。消えかかっているものもありますが、保存状態がいいものはなかなかの美しさ。一番下の段のものなら、近づいてじっくり眺められます。

頭塔は、奈良時代の有名な僧・玄昉(げんぼう)の伝説で知られています。貴族との確執から九州に流された玄昉は、怒りのあまり、死んだときに体が奈良に飛んで帰ったとか。その頭を埋めたのが頭塔、と伝えられています。現実離れしていますが、謎の多い奈良時代らしい、頭塔の異様な雰囲気とも似つかわしい伝説です。

歴史は?

奈良時代に実忠が建立 その後「玄昉の首塚」説へ

奈良時代に、東大寺の実忠が国家安泰を祈って建てた、と言われています。当時の資料に書いてある名前は「土塔(どとう)」。その後、平安時代ごろから、玄昉の頭を埋めた塚、と言われるようになったとか。「どとう」が「ずとう」になって、いつのまにか「頭塔」の字になったようです。

石仏のうち13体が昭和52年、さらに9体が平成14年に重要文化財に指定。昭和61年から発掘調査が行われました。

どうやって行く?


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近鉄奈良駅からバスで6分・JR奈良駅からバスで12分
「破石町」下車徒歩2分

近鉄奈良駅から徒歩25分

頭塔データ

見学料
(協力金)
300円
見学時間 午前9時~午後5時
(要予約)

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