大和三山
橿原から飛鳥にかけて、平らなところにこんもりと盛り上がった3つの小さな山。眺めて楽しいほか、神話や文学の舞台にもなっています。
どんなところ?
3つの山がトライアングル状に
大和三山は、大和盆地の南のはじ、飛鳥の丘陵地帯の北側にあります。耳成山(みみなしやま)・畝傍山(うねびやま)・天香久山(あまのかぐやま)の3つで、2~3kmずつ離れたトライアングル状の配置。三者三様の形をしていますが、耳成山と畝傍山はきれいな山形をしているので、近鉄の車内からもよく見えます。
見かた・楽しみかたは?
甘樫丘など飛鳥周辺から眺めて、神話に思いをはせる
大和三山を望む景色は、飛鳥エリアの代表的な眺めです。飛鳥の周辺なら、少し見晴らしのいいところだったらたいてい見られますが、特に甘樫丘(あまかしのおか)から見るのがおすすめ。平らなところになぜかこんもりと盛り上がった、不思議な3つの山を見渡せます。
畝傍山は、3つのうちで一番高くて、見る場所によって三角形や傾いた台形に見えます。耳成山はきれいな円錐形で、近鉄大阪線のすぐ近くで車内からよく見えます。天香具山は、他の2つと比べると形がダラッと広がっている感じで、ちょっと分かりにくいです。
万葉集の歌によまれたほか、神話の舞台でもあります。耳成山と天香具山は男の神様、畝傍山は女神様で、耳成山と天香具山が畝傍山を取り合ったとか。山自体は観光名所という感じではないですが、それぞれ神社もあるし、観光客も来ないので、穴場を求める人にはおすすめです。
歴史は?
昔は万葉集の歌の舞台、今は国の名勝
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ・天智天皇)が、神話にちなんだ歌をよむなど、万葉集には大和三山がらみの歌がいくつもあります。
耳成山は、以前は古墳と伝えられていたようです。畝傍山には、江戸時代以前は70以上もお寺があったとか。天香久山のあるあたりは、聖徳太子妃の膳大郎女(かしわでのおおいらつめ)の出身地。
1967(昭和42)年に歴史的風土保存区域に、2005(平成17)年に国の名勝に指定されました。
どうやって行く?
より大きな地図で 大和三山 を表示
耳成山
近鉄耳成駅から徒歩15分
畝傍山
近鉄畝傍御陵前駅から徒歩15分
天香久山
JR香久山駅から徒歩35分
大和三山データ
耳成山 | 標高139m |
畝傍山 | 標高198m |
天香久山 | 標高152m |