称名寺
狭いながらも、よく整った上品な感じの境内が魅力のお寺。ふだんは拝観できませんが、重要文化財の仏像や村田珠光ゆかりの茶室がある、なかなか充実したスポットです。
どんなところ?
駅から近い住宅街にある、落ち着いた感じのお寺
称名寺は、近鉄奈良駅から「やすらぎの道」を北に行ったほうにあります。駅から近い便利なところですが、観光エリアから離れた住宅街の中で、観光客はまず来ないところ。きれいに手入れされた刈込の間を通って門をくぐると、よく手入れされた落ち着いた感じの境内が広がっています。
見かた・楽しみかたは?
手入れの行きとどいた落ち着いた境内・大規模な「千体石仏」
通りから眺めると、石畳ときれいに手入れされた刈込の線がまっすぐ門へ向かっていて、よく整ったいい景色です。門をくぐった先の境内も、何か目をひくものがあるわけではないですが、建物にしても植木にしても、控えめで落ち着いた感じ。きれいに手入れされていて心地いいです。
本堂の手前を右に行くと、石仏がたくさん並んだ「千体石仏」があって、これはなかなか壮観。1,900個もあるとか。石仏を集めてまつっているお寺はよくありますが、これだけの規模はなかなかありません。戦国時代に城壁に使われたものを、落城後に集めてまつったものです。
本堂には、平安時代に作られた重要文化財の仏像があるほか、境内には、称名寺で出家した茶道の祖、村田珠光ゆかりの茶室「獨盧庵(どくろあん)」があります。ただ、称名寺は観光寺院ではないので、拝観できるのは珠光忌の日だけ。
歴史は?
鎌倉時代に興福寺の別院として創建 村田珠光が出家
鎌倉時代の文永2(1265)年、興福寺の学僧だった専英・琳英が念仏の道場として建てた、伝えられています。はじめは興福寺の別院で、興北寺という名前だったようです。
室町時代に、村田珠光が称名寺で出家して、その後茶道を開いたとか。室町時代には大きなお寺だったようですが、江戸時代の火事で焼けて衰退。明治になって興福寺から独立しました。
イベントは?
文化財を拝観できる貴重な機会「珠光忌」
5月15日 珠光忌
称名寺で出家して、その後茶道を開いた村田珠光の命日の行事。昼過ぎに、本堂に村田珠光の位牌と像をまつって法要が行われます。
当日は、本堂が公開されて重要文化財の仏像を見られるほか、珠光ゆかりのめずらしい茶室「獨盧庵」も公開されます。拝観できるのは珠光忌の日だけ。また、客殿で抹茶の接待も受けられます。
どうやって行く?
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近鉄奈良駅から徒歩8分
JR奈良駅から徒歩15分
称名寺データ
正式名称 | 日輪山称名寺 |
宗派 | 西山浄土宗 |
拝観料 | 1,000円 (抹茶接待付き) |
拝観日・時間 | 5月15日のみ 午前10時~午後3時 |