薬師寺
奈良時代から残る、貴重で美しい国宝の仏像が見られるお寺。有名な東塔など国宝建築も見られて、修学旅行でも人気の充実したスポットです。
どんなところ?
西ノ京駅の近くに新旧さまざまな建物が建つ
薬師寺は、近鉄西ノ京駅の近くに広大な敷地を持っています。北門が駅から近いですが、遠回りして南から入るのがおすすめ。木が少なくて開放的な境内には、奈良時代からある東塔や、最近再建された立派で華やかな建物が混ざって建っています。仏像が充実していて、じっくり見るとけっこう時間がかかります。
見かた・楽しみかたは?
奈良時代から残る「美仏」めぐり
とにかく仏像の名作が充実しています。まずは金堂の本尊・薬師三尊像。一説によると、薬師寺が飛鳥にあった飛鳥時代に作られたとも言われます。飛鳥~奈良時代の彫刻の最高傑作と言われたりもするもので、美しい仏像です。
仏像めぐりで外せないのは、東のほうにある東院堂。建物も国宝ですが、本尊の国宝・聖観音菩薩は日本でも指折りの「美仏」。ほれぼれする感じの仏像です。若くして処刑された有間皇子がモデルだという説もあるようです。
建物の見どころといえば、奈良時代から残る東塔。三重塔の各階に裳階(もこし)というひさしが付いていて、それが作り出すリズム感など評価の高い建物ですが、残念ながら大修理中で見られません。完成は平成30年の予定。それまでは、似た形をした西塔を見て想像するしかなさそうです。
歴史は?
飛鳥にできて奈良へ移転 現在「再建中」
飛鳥時代の680(天武天皇9)年、天武天皇が皇后の病気平癒を祈って発願、長い期間をかけて飛鳥(今の本薬師寺跡)に整備されたのが始まり。奈良に都が移って、薬師寺も今の場所に移りました。
平安時代の火事と戦国時代の兵火でほとんどの建物が焼失。昭和50年代くらいから、次々に建物が再建されはじめて、今も継続中、という感じ。
イベントは?
春の「花会式」が盛大
3月30日~4月5日 花会式(修二会)
7日間にわたって法要や奉納行事が続く、薬師寺でいちばん盛大な行事。修二会は奈良時代から行われていたようですが、平安時代に、堀河天皇の皇后の病気が薬師如来の霊験で治ったので、お礼に10種類の造花を供えてから、花会式というスタイルになったとのこと。
7日間のあいだ、基本的に1日6回(2回連続×3回)の法要が行われるほか、能や舞楽、お花やお茶の奉納、稚児行列などもあります。最終日には、勇壮な鬼追式も行われるなど、もりだくさんな内容。
5月5日 玄奘三蔵会大祭
薬師寺の宗派「法相宗」(ほっそうしゅう)を開いた、西遊記の三蔵法師で有名な玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の、5月の月命日に行われるお祭り。平成4年に「復興」された新しいお祭りです。
法話や法要の後、ユニークな伎楽(ぎがく)の奉納があります。三蔵法師の物語を再現した、一種の音楽劇です。日が暮れたあとは、メインの境内(白鳳伽藍)の北にある玄奘三蔵院伽藍に並べられた灯籠に灯が入って、幻想的な眺めが広がります。
10月8日 天武忌
薬師寺を建てることを発願した天武天皇の命日の行事。昼には、境内に火を焚いて柴燈大護摩(さいとうおおごま)が行われて、夜になると大講堂に天武天皇・持統天皇・大津皇子の絵をまつって法要が行われます。同時に、境内に並べられた灯籠に灯が入って、建物が幻想的に浮かび上がります。
どうやって行く?
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近鉄西ノ京駅から徒歩6分(南門)・2分(北門)
薬師寺データ
正式名称 | 薬師寺 |
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宗派 | 法相宗 |
拝観料 | 玄奘三蔵院伽藍公開時 大人:800円 中高生:700円 など その他の期間 大人:500円 中高生:400円 など |
拝観時間 | 午前8時半~午後5時 |