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不退寺

小ぢんまりした庭園に四季折々の花が咲く、ひっそりしたお寺。在原業平ゆかりのお寺で、本尊は在原業平作という、小さいながら由緒正しいスポットです。

どんなところ?

「歴史の道」沿い ひっそりとして落ち着いたお寺

不退寺は、佐保・佐紀エリアの見どころを結ぶ「歴史の道」沿いにあります。すぐ近くをJRや国道が通っていますが、緑が濃くてひっそりしたところ。堂々とした門を入ると、正面に大きな屋根が印象的な本堂、右手に池や建物がある庭園があります。狭い境内ですが、静かで上品で、落ち着けるところです。

見かた・楽しみかたは?

重要文化財の建物群・在原業平作という本尊・花と紅葉

不退寺は、平城天皇の御所を息子の阿保親王と孫の在原業平が受け継いだという、由緒正しいお寺。今は小ぢんまりしていますが、意外と重要文化財が多いところに「由緒正しさ」が出ています。

入口の「南大門」は、鎌倉時代の建物で重要文化財。なかなか堂々として立派な門です。入って正面にある本堂は室町時代の建物で、寄棟造りの奈良らしいスタイル。向かって右の庭園にあるシックな建物は、ふつうのお堂に見えますが、多宝塔の2階部分がなくなったもので鎌倉時代の建物。本堂と多宝塔も重要文化財。

本堂には、本尊の観音菩薩と五大明王があって、どちらも重要文化財。観音菩薩は、色が落ちて状態はあまりよくない感じですが、伊勢物語で有名な在原業平が作ったと言われています。頭の両脇にあるリボン状の飾りが印象的。

多宝塔のまわりは、池に石橋がかかっていて、なかなかしゃれた庭園になっています。最近になって整備したとか。この庭園を中心に、境内には四季折々の花が咲くほか、秋の紅葉もきれいです。

歴史は?

平安時代に在原業平が創建

平安時代初め、平城天皇は位を嵯峨天皇に譲って、不退寺のあるところに「萱の御所」を建てて住んだとか。息子の阿保親王と孫の在原業平が受け継いで住んだ後、847(承和14)年に在原業平がお寺を建てたのが始まりと伝えられています。

平安時代にかなりの領地を持って栄えたようですが、他のお寺と同じように平安時代末期に兵火で焼けて、鎌倉時代に再興。重要文化財の建物群は、このときからあるもののようです。その後江戸時代にも大きなお寺だったそうですが、明治に入って衰退。戦後になって庭園が整備されて「花の寺」になったとか。

イベントは?

「業平忌」と多宝塔公開

5月28日 業平忌

不退寺を開いたと言われる平安時代の歌人、在原業平の命日の行事。本堂に在原業平の絵を飾って法要が行われます。祭壇には、業平ゆかりのカキツバタやキハナショウブが飾られます。

業平忌の日には、ふだん非公開の重要文化財・多宝塔が特別に公開されます。仏像などはありませんが、壁に描かれた真言宗の高僧「真言八祖」の壁画が見どころ。

どうやって行く?


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近鉄奈良駅からバスで9分・JR奈良駅からバスで12分
「一条高校前」下車徒歩5分

近鉄新大宮駅から徒歩15分

不退寺データ

正式名称 金龍山不退転法輪寺
宗派 真言律宗
拝観料 大人:400円
中高生:300円
など
特別展開催時・業平忌の日は高くなります
拝観時間 午前9時~午後5時

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