般若寺
立派な楼門と石塔が印象的なお寺。奈良の町はずれながら、国宝や重要文化財も見られるほか、花の名所でもあって、けっこう充実したスポットです。
どんなところ?
「奈良坂」沿いに建つ、楼門や石造物が印象的なお寺
般若寺は、東大寺の1kmくらい北、京都方面から奈良への昔の入り口「奈良坂」の旧街道沿いにあります。周辺は静かな住宅街。道路に面して、立派な国宝の楼門が建っていて、入口は向かって左のほうにあります。境内はそれほど広くなく、建物もあまりないですが、十三重石塔をはじめ石造物が目立つ感じ。
見かた・楽しみかたは?
国宝・楼門と重要文化財を見物して、四季の花を愛でる
境内に入る前に、道路から楼門をじっくり眺めたいところ。鎌倉時代にできたもので、般若寺唯一の国宝。屋根四隅の反りぐあいが優美です。
境内に入ると、本堂の前には立派な十三重石塔が建っています。楼門から見ても正面で、本堂よりこちらのほうがメインという感じ。鎌倉時代に宋から来た石工が作ったもので、重要文化財です。近くには2本の笠塔婆も建っていて、これも重要文化財。十三重石塔の東側に建っている簡素な経蔵も重要文化財です。
本堂には、本尊の文殊菩薩騎獅像があって、これまた重要文化財。「騎獅像」の名のとおり、獅子の上に座っている文殊菩薩で、獅子がなかなか大きくて立派です。鎌倉時代の終わりころに作られた仏像。本堂では、ほかに不動明王や四天王像を見られます。
緑の多い境内は、知る人ぞ知る花の名所でもあります。春のヤマブキ、秋のコスモス、冬のスイセンなど、四季折々の花が楽しめます。特にコスモスの名所として有名で、10万株が咲き乱れるのは圧巻です。時期の週末にはライトアップもあります。
歴史は?
飛鳥時代創建との説 奈良時代に繁栄、その後盛衰
飛鳥時代に高句麗の僧が建てたと伝えられていますが、諸説あって詳しくは分かっていないようです。奈良時代に、平城京の鬼門を守るために、聖武天皇がお経を埋めて石塔を建てた、と言われています。奈良時代にはかなり栄えたようです。
平安時代の終わりに兵火で焼けて壊滅状態になった後、鎌倉時代に再建されて、このとき今ある十三重石塔ができたとのこと。その後も戦国時代に焼けたりして盛衰を繰り返して、昭和に入って修復・再建されて今の姿になったようです。
イベントは?
伝統ある「文殊会」と今風の「コスモス花あかり」
4月25日 文殊会
文殊菩薩の縁日の法要。真言律宗のお坊さんが他のお寺からも集まって、総出で法要を行います。法要では、声明などが唱えられます。
この時期、境内はヤマブキの花が見ごろ。文殊会を彩るために植えたものだとか。
10月中ごろの週末 コスモス花あかり
コスモスの時期に開かれるライトアップイベント。十三重石塔やコスモスがライトアップされるほか、境内に行燈が並んで、幻想的な眺めが楽しめます。
日曜日には、本堂でちょっとしたコンサートも開かれて、毎年いろいろな楽器の演奏が披露されます。ライトアップとあわせてロマンチックな演出で、絶好のデートスポット。
どうやって行く?
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近鉄奈良駅からバスで7分・JR奈良駅からバスで11分
「般若寺」下車徒歩4分
近鉄奈良駅から徒歩35分
般若寺データ
正式名称 | 法性山般若寺 |
宗派 | 真言律宗 |
拝観料 | 大人:500円 中高生:200円 など |
拝観時間 | 午前9時~午後5時 |