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海龍王寺

小さくてひっそりとしたお寺ながら、国宝の五重小塔や重要文化財の建物・仏像を見られるスポット。緑濃い境内は静かで、落ち着いて文化財と向き合えます。

どんなところ?

法華寺のとなりにある、木立に囲まれたお寺

海龍王寺は、平城宮跡の東側、法華寺のすぐとなりにあります。入口は、法華寺と反対の東側。奈良らしい土塀に挟まれた山門をくぐると、木立に囲まれたひっそりした参道が伸びていて、もうひとつ土塀に挟まれた門をくぐると、小さな境内が「開ける」という感じ。境内も木が多くて、ひっそりとした印象の強いお寺です。

見かた・楽しみかたは?

静かな環境で、国宝・五重小塔と文化財群を愛でる

小さなお寺ですが、歴史が深いだけに文化財は充実しています。一番の注目は、西金堂の中にある国宝の五重小塔。塔なのに屋内に建っているのがユニークです。奈良時代に建てられたもので、奈良時代の建築を知るうえで重要なものだとか。

西金堂自体も、奈良時代に建てられたもので重要文化財。鎌倉時代に大修理されているものの、奈良らしい素朴なスタイル。境内の隅にある経蔵も、地味ですが重要文化財です。本堂に入ると、なかなか美しい本尊・十一面観音菩薩と文殊菩薩の2体の重要文化財をはじめ、平安時代~室町時代くらいの仏像を見られます。

木立に囲まれた境内は、訪れる人も少なくて、静かで落ち着いたところ。文化財とじっくり向き合うにはいい環境です。境内にはユキヤナギが多くて、春の時期には見事。「大和一のユキヤナギ」と言われているようです。

歴史は?

藤原不比等の屋敷跡に光明皇后が創建

となりの法華寺と同じく、もとは藤原不比等の屋敷があったところで、娘の光明皇后の宮になり、光明皇后が寺を建てた、と伝えられています。それ以前に、飛鳥時代からお寺があった、とも言われています。

平安時代に衰退して、鎌倉時代に再興して栄え、戦国時代にまた衰退して、江戸時代に持ち直したものの明治に入ってまた衰退・・・・・・と、盛衰を繰り返したとのこと。戦後に境内が整備されて、奈良国立博物館に寄託していた五重小塔が戻ったそうです。

イベントは?

最近復活した伝統の行事

4月18日 四海安穏祈願法要

海上安全や平和を祈る法要。ガラス容器に入った各地の海水を祭壇に供えて、声明や散華、読経が行われるほか、法要中に雅楽の奉納演奏もあります。

初代住職といわれる玄昉が、遣唐使として唐に行った帰りに嵐にあって、海龍王経というお経を唱えたところ無事に帰れた、というエピソードにちなむ法要です。奈良時代に遣唐使の安全祈願として行われていた行事を、最近になって復活させたとのこと。

11月第1土・日曜日 布薩の行法

自分の行いを振り返って反省する、という懺悔の行事。晩秋の夜に、参列した一般の人も一緒になって作る、参加型の法要です。

布薩自体は、釈迦の時代からあるもので、日本でも平安時代から鎌倉時代ころに盛んに行われたとか。海龍王寺では、最近始まった行事です。

どうやって行く?


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近鉄奈良駅からバスで11分・JR奈良駅からバスで14分・
近鉄大和西大寺駅からバスで10分
「法華寺」下車徒歩1分

近鉄新大宮駅から徒歩20分

海龍王寺データ

正式名称 海龍王寺
宗派 真言律宗
拝観料 大人:400円
中高生:200円
など
拝観時間 午前9時~午後4時半
※8月12日~17日・12月24日~31日は拝観休止

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