長岳寺
重要文化財の建物が見られる、山の辺の道沿いでいちばん本格的なお寺。天理と桜井のちょうど中間あたりで、山の辺の道歩きの拠点のひとつです。
どんなところ?
山の辺の道歩きの拠点でもある、絵になるお寺
長岳寺は、山の辺の道の崇神天皇陵近くに、山を背にして建っています。近くには、山の辺の道歩きの拠点施設「天理市トレイルセンター」があるほか、桜井線の柳本駅からもそれほど遠くなく、ここまで/ここから歩くにも便利。四季の花咲くひなびた参道を進んでいくと、池を中心に重要文化財の建物が並んでいて、絵になる境内です。
見かた・楽しみかたは?
重要文化財の楼門、池に影落とす本堂や花・紅葉
参道を進んでいって、まず目に入るのは楼門。立派で、おしゃれな感じもする建物で重要文化財です。2階部分にはもともと鐘がつるしてあったそうで、このタイプの門としては日本最古だとか。2階部分は平安時代から残っているとのこと。
楼門をくぐると、境内の中心部。まん中に放生池があって、池に面して本堂が建っています。本堂は、大きな屋根の堂々とした建物。中には、重要文化財の本尊・阿弥陀三尊像がまつられています。平安時代末に作られた仏像で、目に水晶をはめ込む「玉眼(ぎょくがん)」になっていて、このタイプの仏像では最古だとか。
放生池のまわりは、四季折々の眺めがきれいなところ。春にはツツジ・カキツバタ、秋には紅葉が見事で、花や紅葉と建物が池に影を落とす様は格別です。
境内から1km近く西、柳本駅に近いほうに、五智堂という建物があります。建物といっても、柱と屋根だけのあずまやのようなもので、傘堂とか真面堂(まめんどう)とも呼ばれています。これも長岳寺の建物で、重要文化財。
歴史は?
平安時代、弘法大師の創建
平安時代初期の824(天長元)年、淳和天皇の勅願で、弘法大師が大和神社(おおやまとじんじゃ)の神宮寺として建てたとのこと。
いちばん栄えたときは、塔頭(たっちゅう:お坊さんが住む境内の小さなお寺)が48もあったとか。今、拝観受付のところにある庫裏(くり)は、そのうちの1つ、地蔵院の名残り。
イベントは?
勇壮な「れんぞ」と幻想的な「千燈会」
4月21日 釜の口れんぞ
4月の弘法大師の縁日に行われる勇壮なお祭り。最初に大師堂で法要があって、その後本堂前の広場で大柴灯護摩(だいさいとうごま)が始まります。
山伏たちが、弓や斧などを使って儀式したり祈祷したりして、僧侶による法要の後、積み上げた柴や薪に点火。燃え上がってきたところで、僧侶が願い事がかかれた護摩木を火の中に投げ込みます。僧侶と山伏が共同で儀式を進めていくのがユニーク。
9月中旬の土・日曜 千燈会(せんとうえ)
最近始まった幻想的なイベント。境内が、二千個以上の灯籠やかがり火に浮かびあがります。楼門などのライトアップもあり。その他、本堂で琵琶や箏の演奏、コーラスやミュージカルなどが披露されます。
どうやって行く?
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天理駅・桜井駅からバスで15分
「上長岡(かみなんか)」下車徒歩7分
JR柳本駅から徒歩35分
長岳寺データ
正式名称 | 釜の口山長岳寺 |
宗派 | 真言宗 |
拝観料 | 大人:350円 大学生・高校生:300円 など |
拝観時間 | 午前10時~午後5時 |