狭井神社
(さいじんじゃ)
三輪山ふもとの深い森に囲まれて、神さびた雰囲気が持ち味の神社。万病に効くといわれる「薬井戸(くすりいど)」の水が飲めるのも魅力。
どんなところ?
大神神社境内の深い原生林に囲まれた神社
狭井神社は、大神神社の本殿手前から左へ、「くすり道」と名付けられた参道を歩いたところにあります。あたり一帯は三輪山のふもとで、原生林の緑が濃いところ。狭井神社の本殿も、深い緑に囲まれてひっそりした感じで、本殿に向かう手前左側に池が広がっているのもいい雰囲気です。山の辺の道を天理側から歩いたときは、大神神社の境内に入って最初に着く摂社。
見かた・楽しみかたは?
森に囲まれた拝殿・雅やかな池・ご神水がくめる「薬井戸」
まず印象的なのは、深い森に囲まれた雰囲気。右手に三輪山ふもとの尾根がせり出していて、その緑に沿って本殿に向かう感じです。大神神社より建物が少なく、拝殿も小さめで簡素で、杉木立に囲まれている印象が特に強いです。
本殿に向かう道の左側に広がる「鎮女池(しずめいけ)」も印象的。本殿と対照的に開放感があります。小島があって朱塗りの橋がかかっていて、弁天様がまつられています。素朴で神さびた境内のなかで、池のまわりは華やいで雅やかな感じです。
本殿左奥には、霊験あらたかなご神水が汲める「薬井戸」があります。汲みに来る人が多いからか、設備は近代的。丸いオブジェ状の岩のまわりに、ボタンを押すと水が出る給水口がいくつもついています。その場で飲む人用にコップも用意されていますが、コップを洗う流しと殺菌設備まであります。狭井神社にお参りしたら、忘れずにいただいていきたいところ。
歴史は?
大和神社の別宮 → 明治に大神神社が復興
垂仁天皇の時代(1世紀ごろ?)にできたと伝えられています。伝説上は、大神神社より数十年~百数十年後、ということになります。
もともとは大和神社(おおやまとじんじゃ)の別宮だったのが、衰退していたところ明治に入って大神神社が復興して、大神神社の摂社になったとか。
イベントは?
由緒正しい「鎮花祭」
4月18日 鎮花祭
701年の大宝律令にも重要な祭りとして載っている、由緒正しいお祭り。まず大神神社で神事が行われた後、狭井神社でも同じ神事があります。神様に、神饌(しんせん:神様の食事)といっしょに薬草の忍冬(すいかずら)と笹百合の根を供えます。
いろいろな花が咲いたり散ったりするこの時期、疫病が流行したので、それを鎮めるために始まったお祭りだとか。当日は、関西をはじめ全国の製薬業者が、たくさんの薬を奉納します。
どうやって行く?
より大きな地図で 狭井神社 を表示
JR三輪駅から徒歩15分
大神神社本殿から徒歩4分
狭井神社データ
正式名称 | 狭井坐大神荒魂神社 (さいにいますおおみわあらみたまじんじゃ) |
拝観料 | 無料 |
拝観時間 | 1日中 |