法輪寺
斑鳩の田園風景の中にある、新しい三重塔が目をひくお寺。文化財の建物や国宝の仏像はないですが、静かな境内でのんびり仏像鑑賞できます。
どんなところ?
斑鳩の田園地帯にある、のんびり過ごせるお寺
法輪寺は、法隆寺から北へ、斑鳩の町並みをぬけた田園地帯にあります。まわりは畑やため池、丘が広がるのどかなところ。それだけに、離れたところからでも三重塔がよく見えます。境内は狭くて建物も多くなく、三重塔以外に目をひくお堂はありませんが、人も少なくてのんびり過ごせる雰囲気を持っています。春は桜がきれいで、桜の穴場と言えそうです。
見かた・楽しみかたは?
「新しい良さ」の三重塔と飛鳥時代の仏像
境内に入るかなり手前からよく見える三重塔は、門を入ってすぐのところに建っています。戦前まで、飛鳥時代から残った塔が建っていて、国宝に指定されていましたが、戦時中に落雷で焼失してしまいました。今の塔は、昭和50年に再建されたもので、歴史はなくて文化財でもないですが、スタイルは飛鳥時代のものとか。
新しいだけに、ベンガラ塗りはあざやかで、屋根の四隅にぶら下がっている風鐸(ふうたく・風で鳴る鐘)の音もよく聞こえるなど、歴史のある塔にはないおもしろさが持ち味。下から見上げていると、歴史の浅さは不思議と気になりません。
境内奥にある大きめの建物は、収蔵庫を兼ねた講堂。鉄筋コンクリート製で、本尊の仏像など文化財を見られます。もともとここには、本当の意味での講堂(僧侶が学ぶための主要な建物)があって、建て替えるかたちで今の建物ができました。そのとき、老朽化した金堂から本尊などの仏像が移動したとのこと。飛鳥時代に作られた本尊の薬師如来などをのんびり眺められます。
歴史は?
飛鳥時代創建 その後衰退
飛鳥時代の622(推古天皇30)年、聖徳太子の息子山背大兄王(やましろのおおえのおう)が聖徳太子の病気平癒を願って建てたとか、百済(くだら・朝鮮半島の国)の人が建てたとか言われています。平安時代から鎌倉時代ころまでは栄えていたという記録があります。
その後、火事や台風で衰退して、三重塔だけが残ったとか。その後、江戸時代に少しずつ復興しましたが、昭和19年、最後に残っていた三重塔が落雷でなくなってしまいました。昭和50年に再建されて今に至ります。
イベントは?
諸願成就を祈る「妙見会式」
4月15日 妙見会式(みょうけんえしき)
境内のいちばん奥にある妙見堂で行われる法要。当日は、いつもは閉まっている妙見堂の扉が開いて、妙見菩薩像などを見られます。
毎月15日は、妙見菩薩の縁日。妙見菩薩は北極星を表す仏様で、諸願成就の仏様として信仰されています。
どうやって行く?
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JR法隆寺駅から徒歩35分
JR法隆寺駅からバスで4分
「中宮寺前」下車徒歩20分
または
近鉄郡山駅からバスで18分
法隆寺前バス停からバスで5分
「法起寺前」下車徒歩10分
法輪寺データ
正式名称 | 妙見山法輪寺 |
宗派 | 聖徳宗 |
拝観料 | 講堂(収蔵庫) 大人:500円 中高生:400円 など 境内は拝観自由 |
拝観時間 | 3~11月:午前8時~午後5時 12~2月:午前8時~午後4時半 |