興福寺
近鉄奈良駅からのアクセスが便利な、有名な五重塔があるお寺。仏像が充実しているほか、国宝の建物もいくつも見られます。
どんなところ?
駅の近く 奈良公園にとけこんだ開放的なお寺
興福寺は、近鉄奈良駅のすぐ近くにあって、奈良公園の「入り口」のようなスポット。ほかのお寺のように塀に囲まれていないこともあって、開放的で気軽な雰囲気。奈良公園にとけこんでいる感じがします。山門や本堂がないこともあって、どこからどう回ればいいか分かりにくくて、五重塔だけ見て通り過ぎたり、重要な建物を見落としたりしがちです。
見かた・楽しみかたは?
猿沢池からの五重塔や、阿修羅像などの仏像群
興福寺に着いてまず目に入るのが、有名な奈良のシンボル、五重塔。境内から見上げるのもいいですが、境内に入る前に、まずは南にある猿沢池越しに眺めてみたいところ。よく絵はがきなどにもなる、奈良でいちばん絵になる風景のひとつです。近鉄奈良駅からまっすぐ興福寺へ向かわずに、東向通りのアーケードを通って三条通りへ出ると、猿沢池に出られます。
興福寺は貴重な仏像の宝庫。お堂の中にある国宝の仏像もいくつかあって、ふだん非公開のものもありますが、有名なものはほとんど国宝館で見られます。特に有名なのが阿修羅像。6本の腕のリズム感と哀愁を秘めた表情など、奈良時代を代表する仏像で、ファンも多いです。国宝や重要文化財ばかりなので、仏像好きな人はじっくり時間をとるのがおすすめ。
他に、寄棟造りでいかにも奈良らしいスタイルの東金堂や、朱色がきれいな八角形の北円堂・南円堂など、建物も見どころが多いです。
歴史は?
奈良から平安にかけて大繁栄 その後衰退
飛鳥時代の669(天智天皇8)年、藤原氏が今の京都に建てた山階寺(やましなでら)がはじまり。そのあといったん飛鳥に移動して、都といっしょに今の場所に移って、名前も興福寺になりました。奈良時代から平安時代にかけて、藤原氏の発展といっしょに大繁栄して、大和の国を支配するほどになったとか。僧侶の戦闘部隊「僧兵」をかかえて、ことあるごとに京都の朝廷に直訴して恐れられたようです。
その後、たびたび火事にあっては復興されながら、徐々に規模が小さくなって、山門も本堂もない今の姿になりました。今、本堂にあたる中金堂の再建工事が行われています。
イベントは?
猿沢池に魚を逃がす「放生会」など
2月3日 追儺会(ついなえ)
興福寺版の節分の儀式。夜になると、まず東金堂の薬師如来の前で法要があって、それから毘沙門天が鬼を退治するという鬼追い式、それが終わってから豆まきがあります。豆まきをするお寺はたくさんありますが、夜にやるところはめずらしいでしょう。
4月17日 放生会(ほうしょうえ)
コイや金魚を境内南の猿沢池に放します。猿沢池は、もともと放生会のための「放生池」。まず、南円堂となりの一言観音堂で法要が行われたあと、参加者がコイや金魚が入った桶を持って猿沢池に移動。僧侶といっしょにお経を唱えたあと、池に放します。
4月25日 文殊会(もんじゅえ)
4月の文殊菩薩の縁日に、東金堂で行われます。知恵の文殊菩薩にあやかろうとする稚児行列が有名。いろいろな衣装に身を包んだ子供たちや、一字書という習字を乗せた奉額車などが、三条通りを練り歩いて東金堂に向かいます。東金堂に着いたら、一字書を東金堂に掲げて、法要が始まります。
どうやって行く?
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近鉄奈良駅から徒歩8分(三条通り側から入る場合)
JR奈良駅から徒歩18分
興福寺データ
正式名称 | 興福寺 |
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宗派 | 法相宗 |
拝観料 | 国宝館 大人・大学生:600円 中高生:500円 など 東金堂 大人・大学生:300円 中高生:200円 など 境内は拝観自由 |
拝観時間 | 午前9時~午後5時 |