福智院
ならまちの東の方、住宅街の中に大きな屋根が目をひくお寺。敷地は小さいですが、立派な本堂と本尊の地蔵菩薩は一見の価値ありです。
どんなところ?
住宅街に突然現れる立派な屋根
福智院は、ならまちの中心エリアをぬけた東の方、住宅が並ぶ一角にあります。静かな住宅街の中に、突然大きな屋根が見えてくる、という感じ。塀に囲まれた境内は狭いですが、人も少なくて立派な本堂をじっくり眺められます。
見かた・楽しみかたは?
堂々とした本堂と、めずらしい地蔵菩薩の「大仏」
門を入って正面の立派な本堂は、鎌倉時代にできた建物で重要文化財。2階建てに見えますが、下の屋根は裳階(もこし)という「ひさし」で、中は上の屋根までつながっています。シブい色合いで堂々とした印象です。
中に入ると、これまた鎌倉時代にできた重要文化財の本尊・地蔵菩薩が鎮座しています。体だけで高さ2.7m、台座からいちばん上まで6.8mもあって「大仏」という印象。お地蔵様が本尊のお寺というのもあまりありませんが、さらにこれだけ大きなお地蔵様となると、かなり珍しいんじゃないでしょうか。
背中のうしろにある「光背」をよく見ると、小さいお地蔵様がビッシリ並んでできているのが分かります。こういうお地蔵さまは唯一だとか。
歴史は?
奈良時代の「平城清水寺」が前身
奈良時代の736年(天平8)年、興福寺の玄昉が建てた「平城清水寺」が前身。その後、鎌倉時代に再興されて、福智院という名前になりました。本堂や本尊の地蔵菩薩も、その時に作られたようです。
イベントは?
開山と本尊ゆかりの行事
6月18日 玄昉忌
平城清水寺を建てた玄昉の命日。本堂で法要や法話、玄昉の生涯を描いた紙芝居などがあった後、福智院の東、玄昉の頭が埋まっているとも言われる頭塔でも法要が行われます。
7月23日 地蔵盆
子供の守り神であるお地蔵様を供養する行事。夕方の法要のあと、「数珠くり」や、子供関係の行事らしく、子供たちによるわらべうたの披露などがあります。
どうやって行く?
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近鉄奈良駅から徒歩20分
近鉄奈良駅からバスで6分・JR奈良駅からバスで10分
「福智院町」下車徒歩1分
福智院データ
正式名称 | 清冷山福智院 |
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宗派 | 真言律宗 |
拝観料 | 本堂 中学生以上:400円 など 境内は拝観自由 |
拝観時間 | 午前9時~午後4時半 |